昨今の日本製品や日本市場について思ったこと
* メインタイトル:円高・円安の観点から観た昔と今のモノの品質
予定内容:
・同価格商品でも今と昔とでは品質に大きな違いがある。
・上記の主な原因は、円高と円安に因るもの。ほかの原因はインフレによる最低賃金などの上昇による人件費の上
昇だと考えられる。
・ほとんどの大衆は、価格の価値観がアップデートされていない。
・2010年中ごろから始まった小食ブームはコストを抑えるために企業が作り出した嘘?
参考文献:
① 第2回:なぜ日本製品は高品質なのか | 日経クロステック(xTECH) (nikkei.com)
② 主要時系列統計データ表 (boj.or.jp)
【 本 題 】
最近、使い物にならない(またはすぐ壊れる)低価格商品が増えたと感じる。2024年の今になってようやく『安かろう悪かろう』という言葉が現実的になってきたのだ。
昨今の市場には陰りがある。一体いつからこうなってしまったのだろうか。
振り返ってみると、以前は、日本製品は『低価格・高品質(①を参照)』とよく呼ばれていたのが記憶にも印象的に残っている。国内外問わず多くの人々から喜ばれていたことが日本人の筆者にとっても誇らしく、自国が輝かしく見えていたものだ。
ところが、今の日本は斜陽の国。先述したように現在の日本市場は陰っている。そして、日本製品は高品質だが高価格というイメージが定着しつつあり、また低価格帯の商品は外国産のモノ(日本を除く東アジア産や東南アジアのモノ)が市場に溢れ完全に低価格帯のシェアを奪われている。
要するに『低価格=低品質、高価格=高品質』という当然の道理に回帰しているわけだが、かつての日本の栄光を忘れられない私にとってはこの帰結が残念で仕方がならないのだ。
そして、こうしたことが要因で文頭に述べた「使い物にならない商品が増えた」のだと、筆者は考える。
その要因の背景には円の価値が下がり続けていることが原因にある、と筆者は考える。
※円安と円高の定義について。 『円高とは、円の価値が高いこと。円安とは、円の価値が安い(低い)こと』とする。
現在の円/ドル為替は1ドルあたり140円を超えるくらいだが、これは2012年1月の1ドルあたり76円と比べて大きく差があることは誰の目にも明らかだろう。要するに現在はとても円安なのである。(1ドル76円時代の高水準と比べるなという突っ込みはご遠慮いただきたい)
上記についてもっとわかりやすくいうと、同じ品質の商品を作るのに必要な製造費用が、昔だったら76円で済んでいたが、現在では140円ほどかかってしまうということだ。つまり今は昔と比べて2倍くらいの製造費用が掛かってしまっている。とそう考えれば、商品の価格にどう影響するかは想像に難くないだろう。
よって、現在の日本企業は高品質を維持するためには低価格を維持できなくなり『日本製品は低価格・高品質』が破綻。また、低価格帯のシェア率では外国産のモノに競争で負けしまい市場から排他気味となっている。
こうしてみると、日本とて成長しているものの、相対的には他国から後れを取っている昨今の状況が分かってくる。
上述してきた因果以外にももっと多くのことが挙げられるが、今回は『円高・円安の観点から観た昔と今のモノの品質』というテーマでお送りした。以上